歩行(歩幅、歩数、速度)の計測
動作特性
−平成10年度 NEDO20人計測−
1.目的
日常生活における動作を計測するため、動作を妨げることなく歩行を計測する。
2.計測装置
(1)距離の計測:赤外線レーザーを用いて、装置と体の距離を計測する。
(2)足が床に着いているかどうかの計測:踵に感圧導電性ゴムを用いたスイッチを取り付け、そのON/OFF信号を無線搬送し、記録する。
(3)歩行動作の解析装置:単位時間ごとに距離と着地情報を記録し、計測結果から歩数(Cadence)、歩幅(Step Length:一方の足の踵接地(Heel Contact)から踵接地までの距離の1/2)、歩行速度等を算出する。
距離計測装置、着地センサー(無線送受信)、記録解析装置
歩行計測路
3.計測結果の例
(1)計測装置の特性
距離計測装置による静止体の1/10秒ごとの計測値は一定ではなく変動しているが、平均値は次表のように実測値とよく一致している。
距離計測装置の計測結果(平均値)
(単位:mm)
静止体との距離実測値 |
計測装置計測結果平均値 |
1,000 |
993 |
3,000 |
2,980 |
5,000 |
4,992 |
7,000 |
6,982 |
9,000 |
8,982 |
11,000 |
10,994 |
(2)計測結果の例
以下の図に計測結果の例を示す。
最初の図は時間経過に伴う距離であり、上昇側は往路、下降側は復路を示す。
2番目の図は距離別に移動速度を算出したものであり、正の値は往路、負の値は復路を示す。なおこの数値は0.1秒ごとに前後1秒間の中央値を求めた値であり、歩行速度一定となっている区間が定常歩行区間であることがわかる。
3番目、4番目の図はそれぞれ左足、右足の着地から着地までを1歩としてカウントし、1歩の距離を示している。
これらからこの被験者の歩幅は53cm、歩数は2.00歩/s、移動速度は1.06m/sと算出できる。