指定音と試験音が同じかどうかの判別
聴覚特性−平成12年度実験計測−
1.被験者数
高齢者:12人(60代 3人、70代 5人、80代 4人)
若年者:8人(20代 4人、30代 3人、40代 1人)
2.計測内容
音場で提示された指定音(純音)を後からランダムに提示された純音と同じかどうか判定してもらい、周波数ごとの判別のしやすさや間違いやすさを調査する。詳細は計測方法を参照のこと。
3.計測結果
以下に500、1000、2000、3150Hzの指定音に対する周波数別の同じ音だと判定した割合を示す。
例えば、1番上の図で500Hzの音と同じであるかどうかを判定したものでは、500Hzの場合は正解した割合、その他の周波数での割合は500Hzの音と間違えた割合を示している。
指定音が500Hzや1000Hzの場合、同じ音であると判定した周波数の幅は高齢者の方が広くなっている。
指定音が2000Hzや3150Hzの場合には若年者と高齢者の差は少なくなっており、2000Hzと1000Hz、3150Hzの区別等が付きにくい結果となっている。
以上より、周波数で2オクターブ程度の違いがあれば異なる音であるという識別がしやすいという結果となった。
なお、今回の計測は、直前に聞いた指定音と試験音が同じかどうか判定したものであるため、日常生活で経験するような複数の報知音が同時に鳴っているような場合に適用できるかどうかは不明である。
また、今回の計測では、音圧レベルを一定にして計測を行っており、音の高低感のみを評価した結果でない点に留意されたい。