試験音はどの吹鳴パターンと同じかの判別


聴覚特性−平成12年度実験計測−



1.目的


公共空間、家庭内を問わず、いろいろな高さや吹鳴パターンの音が報知音や警報音として用いられている。

そこで、on時間とoff時間の組み合わせ方をどのように変えると異なる吹鳴パターンであることがわかりやすくなるかを調査した。


2.計測装置・計測条件


(1)試験音


1)種類:周波数2000Hzの純音

2)提示レベル:55dB

3)吹鳴パターンの組み合わせ
on時間とoff時間長さが同じ
(on時間/off時間:0.25〜1.0秒)
on時間 off時間 繰返し回数
0.25 0.25 5回
0.50 0.50 5回
0.75 0.75 5回
1.00 1.00 5回
on時間一定、off時間変化
(on時間:0.75秒、off時間:0.25〜1.0秒)
on時間 off時間 繰返し回数
0.75 0.25 5回
0.70 0.50 5回
0.75 0.75 5回
0.75 1.00 5回
off時間一定、on時間変化
(off時間:0.5秒、on時間:0.25〜1.0秒)
on時間 off時間 繰返し回数
0.25 0.50 5回
0.50 0.50 5回
0.75 0.50 5回
1.00 0.50 5回
時間/回数変化
(ピピッピピッ,ピッピッon時間/off時間:0.25〜1.0秒)
on時間 off時間 繰返し回数
0.125 0.125 5回
0.125-0.125 0.25 5回
0.50 0.50 5回
1.00 0.50 5回

4)試験回数:それぞれの組合せの中では、同じパターンを連続しないようにしながら、各パターンを 3回以上提示する。(1つの組合せで13回判定する)


(2)計測室配置図

計測室の配置は周波数別の純音の高さ感の図を参照のこと。


3. 計測方法


(1)計測手順


提示音量の事前確認 → 被験者入室・計測内容の教示 → 試験音はどの吹鳴パターンと同じかの判別の計測


(2)事前準備


提示音量の事前確認を行う。(被験者に大音量の提示を行わないため)


(3)被験者入室・テスト内容の教示


1)入室・着席し、被験者耳位置がスピーカー正面、中央高さ、前方1.5mの位置になるように椅子を調整する。

2)被験者への教示(例)

・最初に4種類の音を聞いていただきます。

・その後、次々に出てくる音の鳴り方が、最初に聞いていただいた音と鳴り方の何番目と同じかを判断していただきます。

・最初に4種類の音をスピーカーから出します。1番目から4番目までの音の鳴り方の違いを覚えていただきます。判断の手助けとするために、それぞれの音がどのようなイメージかを記録シートに記入してくださっても結構です。

・覚えられた後に、いろいろなパターンの音を出しますので、それぞれの音が覚えていただいた何番目の音と同じであるかを判断していただき、記入シートの該当する番号の欄に○印をつけてください。


(4)試験音はどの吹鳴パターンと同じかの判別の計測


1)提示する組合せをランダムに選定する。

2)選定した組合せのパターンを1から4まで順番に提示し、それぞれの試験音を判別するためのイメージを記入してもらう。イメージとして何を記録するかは被験者に任せる。また、イメージを記入してから次のパターンを提示するか、続けて提示するかは被験者の要望に従う。

3)その後、一通り順番に試験音を提示するが、被験者が納得しない場合はさらに納得するまで順番に試験音を提示する。

4)被験者のテスト開始了解後、試験音を提示し、被験者に何番目のパターンと同じであるかを評価してもらい、記入シートの該当するパターンの欄に○印を記入してもらう。記入後、次の試験音を提示する。

提示回数は一つの組合せにつき13回。

5) 一つの計測が終わったら、次の組合せで同様の計測を行う。全部で4種類の組合せについて計測を行う。

6) 計測漏れや記入漏れがないことを確認し、被験者に計測終了を通知する。コメントなどあれば、聴取、記録する。