身体寸法と関節可動域の計測


動作特性 −平成10年度 NEDO533人計測−



1.目的


被験者の基本属性として身体寸法と関節可動域を計測した。

 
2.計測項目と計測装置および計測結果


表 身体部位の計測項目と計測装置と計測結果

(1)身体部位寸法

計測項目・計測方法
(項目をクリックすると計測方法が表示されます)
計測装置 計測結果
(項目をクリックするとデータが表示されます)
体重 体重計 体重
身長 グラフ用紙+三角定規 身長
楽な身長 マルチン計測器 ドアノブを握ったときの身長
立位上肢拳上高 グラフ用紙+三角定規 立位上肢拳上指先端高
立位肩峰高 マルチン計測器 立位肩峰高
立位肘頭下縁高 マルチン計測器 立位肘頭下縁高
立位上前腸骨棘高 マルチン計測器 立位上前腸骨棘高
指極 グラフ用紙+三角定規 指極
肩峰点〜指先点間 マルチン計測器 肩峰点〜指先点間距離
肩峰点間 マルチン計測器 肩峰点〜肩峰点間距離
座りやすい座面高 座高計 座りやすい座面高さ
座高 座高計 座高
楽な座高 座高計 楽な姿勢での座高
座位上肢拳上高 マルチン計測器 座位上肢拳上指先端高
座位肩峰高 マルチン計測器 座位肩峰高
座位肘頭下縁高 マルチン計測器 座位肘頭下縁高
関節裂隙高 マルチン計測器 膝関節裂隙高
外踝下端高 マルチン計測器 外踝下端高
足長 マルチン計測器 足長
第3指背側長 マルチン計測器 第3指背側長
第2〜4指間距離(小開大開) マルチン計測器 指をそろえたときの第2指〜第4指間距離
指を軽く開いたときの第2指〜第4指間距離
できるだけ指を広げたときの第2指〜第4指間距離

「楽な身長」とはドアノブを握ったときの姿勢、「楽な座高」とは力を抜いたときの座高を言う。

「座りやすい座面高さ」とは膝関節、足関節をほぼ直角になるように座った状態で、安定して座れると被験者が内観報告をした時の座面の高さである。




図 マルチン計測器


(2)関節角度

計測項目・計測方法
(項目をクリックすると計測方法が表示されます)
計測装置 計測結果(項目をクリックするとデータが表示されます)
肩関節の屈曲伸展 ゴニオメータ− 肩関節の屈曲
肩関節の伸展
肩関節の外転内転 ゴニオメータ− 肩関節の外転
肩関節の内転
肩関節の外旋内旋 ゴニオメータ− 肩関節の外旋
肩関節の内旋
肘関節の屈曲伸展 ゴニオメータ− 肘関節の屈曲
肘関節の伸展
前腕の回内回外 ゴニオメータ− 前腕の回外
前腕の回内
手部の背屈掌屈 ゴニオメータ− 手部の背屈
手部の掌屈
手部の橈屈尺屈 ゴニオメータ− 手部の橈屈
手部の尺屈
股関節の屈曲伸展 ゴニオメータ− 股関節の屈曲
股関節の伸展
股関節の外転内転 ゴニオメータ− 股関節の外転
股関節の内転
股関節の外旋内旋 ゴニオメータ− 股関節の外旋
股関節の内旋
膝関節の屈曲伸展 ゴニオメータ− 膝関節の屈曲
膝関節の伸展
足関節の背屈底屈 ゴニオメータ− 足関節の底屈
足関節の背屈




図 ゴニオメータ(例)


3.計測方法


移動動作、姿勢変化に関連する身体寸法、関節可動域を計測した。
計測方法は、「設計のための人体計測マニュアル」(生命工学工業技術研究所編)および「リハビリテ−ション医学全書5:測定と評価」(和才嘉好・嶋田智明著)を参考としたが、日常生活との関わりを計測するという視点から、来所時の着衣のまま計測点を指触により決定して計測した。

また、関節可動域については、痛みを感じず、手を添えたりせずに被験者自身が無理なく動かせる範囲(自動範囲)を計測した。


(1) 被験者の服装等


・着衣のまま計測する。
・動きを規制するもの(コルセットやサポータ等)を装着していても、そのまま計測する。
・靴による影響をなくするため、高さ5mmのスリッパに履き替える。


(2) 身体寸法等の測定方法と教示(例)


  ○体重

着衣のまま、体重計により計測する。
衣服重量として5月〜9月は1.0kg、それ以外の月は1.5kgを実測値から差し引いて記録する。


  ○身長


・測定方法


三角定規の直角を成す2辺が壁に貼った方眼紙と被験者の頭頂部に接するようにし、頭頂部に相当する高さを方眼紙にマークし、床からの高さを読み取る。
スリッパ高さ5mmを減じて身長を算出する。


・測定前の教示(例)

こちらの壁に背中をつけて立ってください。
左右のかかとをあわせ、背筋を伸ばしてください。
あごを引き、目線はまっすぐ前に向けてください。
肩の力を抜き両腕を自然に下ろしてください。


  ○楽な身長(ドアノブを握ったときの身長)


・測定方法


立位の計測終了時に計測する。
ドアノブ(床面からの高さ1050mm)に手をかけたときの頭頂部までの高さをマルチン計測器で計測する。
スリッパ高さ5mmを減じて身長を算出する。


・測定前の教示(例)


計測することを被験者に告げず、何気なく行動してもらうことを心がける。
以上で立った姿勢での測定は終わりです。すみませんが、こちらのドアを開けていただけますか。
(被験者がドアノブを握ったとき)その状態で動作を止めてください。
この状態での身長を測らせていただきますので、動かないでください。


  ○立位上肢拳上指先端高


・測定方法


身長に引き続いて計測を行う。
三角定規の直角を成す2辺が壁に貼った方眼紙と被験者のもっとも高い指先に接するようにし、指先に相当する高さを方眼紙にマークし、床からの高さを読み取る。
スリッパ高さ5mmを減じて立位上肢拳上指先端高を算出する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


両方の手のひらを内側に向け、両手を前方から上方に、あがるところまで挙げていってください。左右の高さが違っていてもかまいません。
かかとを上げたり、体をそらしたり、背伸びをしたりしないようにしてください。
両側を計測しますのでしばらくがまんしてください。


  ○立位肩峰高


・測定方法


鎖骨を腕の方向にたどっていき、鎖骨末端から腕の方向約1.5cmのところにある骨の出っ張りが肩峰点(鎖骨末端より若干低い位置にある)。
マルチン計測器で床から肩峰点までの高さを計測する。
スリッパ高さ5mmを減じて立位肩峰高を算出する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


身長を測ったときの要領で、かかとを合わせ、あごを引き、目線は水平に、力を抜いて立ってください。
両腕を自然に下ろすようにしてください。
両側を計測しますのでしばらく動かないでください。


  ○立位肘頭下縁高


・測定方法


床から肘頭下縁までの高さをマルチン計測器で計測する。
スリッパ高さ5mmを減じて立位肘頭下縁高を算出する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


身長を測ったときの要領で、かかとを合わせ、あごを引き、目線は水平に、力を抜いて立ってください。
一旦両腕を自然に下ろし、両方の手のひらを内側に向け、上腕を固定し、両手とも肘から先だけを上に挙げてください。
肘の角度が直角になった状態で動作を止めてください。
両側を計測しますのでしばらく動かないでください。


  ○立位上前腸骨棘高


・測定方法


マルチン計測器で床から上前腸骨棘(骨盤の骨で、もっとも前方に出ている部分)までの高さを計測する。
スリッパ高さ5mmを減じて立位上前腸骨棘高を算出する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


身長を測ったときの要領で、かかとを合わせ、あごを引き、目線は水平に、力を抜いて立ってください。
両側を計測しますのでしばらく動かないでください。


  ○指極


・測定方法


両手を水平に広げ、一方の指先点が計測の基点となる場所(壁等)に軽く接するように立ち、もう一方の指先点までの距離を計測する。
三角定規の直角を成す2辺が壁に貼った方眼紙と被験者の指先部に接するようにし、指先部に相当する位置を方眼紙にマークし、基点となる場所からの距離を読み取る。


・測定前の教示(例)

両腕を広げた幅を測らせていただきます。
壁に背中を付けて立ってください。
片方の指先はこちらの柱に軽くふれるようにしてください。
身長を測ったときの要領で、かかとを合わせ、あごを引き、目線は水平に、力を抜いて立ってください。
両腕が水平になるよう横のほうに広げてください。
計測しますのでしばらく動かないでください。


  ○肩峰点〜指先点間距離


・測定方法


肩峰点から第3指先点までの長さをマルチン計測器で計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


身長を測ったときの要領で、かかとを合わせ、あごを引き、目線は水平に、力を抜いて立ってください。
肩の力を抜き両腕を自然に下ろし、指先を伸ばしてください。
計測しますのでしばらく動かないでください。


  ○肩峰点〜肩峰点間距離


・測定方法


左右の肩峰点の距離をマルチン計測器で計測する。


・測定前の教示(例)


肩幅を測らせていただきます。
身長を測ったときの要領で、かかとを合わせ、あごを引き、目線は水平に、力を抜いて立ってください。
肩の力を抜き両腕を自然に下ろしてください。
計測しますのでしばらく動かないでください。


  ○第3指背側長 


・測定方法


第3指の手指基節骨底から指先までの長さをマルチン計測器で計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


手を机の上に置き、軽く手の平を開いてください。
指先を伸ばしてください。
それでは測定させていただきます。
計測しますのでしばらく動かないでください。


  ○指をそろえたときの第2〜4指間距離


・測定方法


指をそろえたときの第2〜4指の外側最大幅をマルチン計測器で計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


手を机の上に置き、指をそろえてください。
指先を伸ばしてください。
それでは測定させていただきます。
計測しますのでしばらく動かないでください。


  ○指を軽く広げた時の第2〜4指間距離


・測定方法


手を普通に置いたときの第2〜4指の外側最大幅をマルチン計測器で計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


何気なく机に手をおいてみてください。
この状態で指と指の間隔を測らせていただきます。
計測しますのでしばらく動かないでください。


  ○できるだけ指を広げたときの第2〜4指間 


・測定方法


手をできるだけ広げたときの第2〜4指の外側最大幅をマルチン計測器で計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


指をできるだけ開いてください。
この状態で指と指の間隔を測らせていただきます。
計測しますのでしばらく動かないでください。


  ○座りやすい座面高さ


・測定方法


安定して座れる座面の高さを座高計で計測する。
足首と膝の角度がそれぞれ90°になっていることを確認する。
スリッパ高さ5mmを減じて座りやすい座面高さを算出する。


・測定前の教示(例)


こちらの座高計に座ってください。
足の裏を床にぴったりと付け、床と足の角度を直角にしてください。
足は床にきちんとついていて安定して座れますか。
それではこの高さを計測します。


  ○座高


・測定方法


座高計で座高を計測する。


・測定前の教示(例)


背を座高計の柱に付けて座ってください。
背筋を自然に伸ばし、肩の力を抜いてください。
両手は軽く膝の上にのせ、あごを引き、目線はまっすぐ前を見てください。
それではこの高さを計測します。


  ○楽な姿勢での座高


・測定方法


座高計で楽な姿勢での座高を計測する。


・測定前の教示(例)


計測することを被験者に告げず、何気なく行動してもらうことを心がける。
次の計測までしばらく楽な姿勢でお待ちください。
(被験者が楽な姿勢になったとき)その状態で動作を止めてください。
それではこの高さを計測します。


  ○座位上肢拳上指先端高


・測定方法


床から指先端高までの高さをマルチン計測器で計測する。
スリッパ高さ5mmを減じて座位上肢拳上指先端高を算出する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


立位と同様に、両方の手のひらを内側に向け、両手を前方から上方に、あがるところまで挙げていってください。左右の高さが違っていてもかまいません。
おしりが座面から浮いたり、体をそらしたり、背伸びをしたりしないようにしてください。
両側を計測しますのでしばらくがまんしてください。


  ○座位肩峰高


・測定方法


肩峰点のシールの上から骨の位置を確認し、床から肩峰点までの高さをマルチン計測器で計測する。
スリッパ高さ5mmを減じて座位肩峰高を算出する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


先程印を付けた肩までの高さを測ります。
もう一度背筋を伸ばし座高を測ったときの姿勢で座ってください。
両手は自然に下ろしてください。
それではこの高さを計測します。


  ○座位肘頭下縁高


・測定方法


床から肘頭下縁までの高さをマルチン計測器で計測する。
スリッパ高さ5mmを減じて座位肘頭下縁高を算出する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


もう一度背筋を伸ばし、座高を測ったときの姿勢で座ってください。
一旦両腕を自然に下ろし、両方の手のひらを内側に向け、上腕を固定し、両手とも肘から先だけを上に挙げてください。
肘の角度が直角になった状態で動作を止めてください。
両側を計測しますのでしばらく動かないでください。


  ○関節裂隙高


・測定方法


床から関節裂隙(膝のお皿中央の窪み)までの高さをマルチン計測器で計測する。
スリッパ高さ5mmを減じて関節裂隙高を算出する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


足の裏を床にぴったりと付け、床と足の角度を直角にしてください。
それではこの高さを計測します。


  ○外踝下端


・測定方法


床から外踝下端までの高さをマルチン計測器で計測する。
スリッパ高さ5mmを減じて外踝下端の高さを算出する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


足の踝までの高さを測ります。
足の裏を床にぴったりと付け、床と足の角度を直角にしてください。
それではこの高さを計測します。


  ○足長


・測定方法


踵から足指の端頂部までの長さをマルチン計測器で計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


足の大きさを測ります。
足の裏を床にぴったりと付けてください。
それでは計測します。



(3) 関節可動域等の測定方法と教示(例)


  ○肩関節の屈曲


・測定方法


肩峰点を通る垂線を基本軸とし、上腕を前方から上方に挙げたときの上腕移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


腕を前から上に挙げたときの角度を測ります。
手のひらを内側に向け、両手を体の前の方から上に挙げていってください。
かかとを上げたり、体をそらしたり、背伸びをしたりしないでください。
無理をせず、痛みを感じない範囲で、できるだけ挙げてください。
それでは計測します。


  ○肩関節の伸展


・測定方法


肩峰点を通る垂線を基本軸とし、上腕を後方から上方に挙げたときの上腕移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


腕を背中側へ引き上げていったときの角度を測ります。
肘を直角に曲げて、両腕を背中側に引き上げいていってください。
体の脇の線から外に流れないよう平行に引いてください。
体を折り曲げたりしないでください。
無理をせず、痛みを感じない範囲で、できるだけ挙げてください。
それでは計測します。


  ○肩関節の外転


・測定方法


肩峰点を通る垂線を基本軸とし、上腕を側方から外側上方に挙げたときの上腕移動角度をゴニオメータで計測する。上腕を90°以上挙げるときは前腕を回外する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


腕を体の横側から上に挙げた時の角度を測ります。
手のひらを前に向け、両手を体の横の方から上に挙げていってください。
無理をせず、痛みを感じない範囲で、できるだけ挙げてください。
それでは計測します。


  ○肩関節の内転


・測定方法


肩峰点を通る垂線を基本軸とし、上腕を体の前面に沿って内側上方に挙げたときの上腕移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


腕を体の前面に沿って内側から上方に挙げた時の角度を測ります。
肩の力を抜き両腕を自然に下ろしてください。
その状態から腕を体の前面に沿って反対側の肩の方向に挙げていってください。
無理をせず、痛みを感じない範囲で、できるだけ挙げてください。
それでは計測します。


  ○肩関節の外旋


・測定方法


上腕を体幹に接し、肘を前方に90°屈曲した位置を原点とし、前腕を外側に開いていったときの前腕移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


腕を体の両側に広げていった時の角度を測ります。
肘を脇につけ、前方に直角に曲げてください。
その状態のまま両腕を同時にすっと体の両脇に広げていってください。
肘は体から離れないようにしてください。
無理をせず、痛みを感じない範囲で、できるだけ広げてください。
それでは計測します。


  ○肩関節の内旋


・測定方法


上腕を体幹に接し、肘を前方に90°屈曲した位置を原点とし、前腕を内側に回していったときの前腕移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


腕を腹側に回していった時の角度を測ります。
肘を脇につけ、前方に直角に曲げてください。
その状態のまま両腕を同時にすっと体の内側に回していってください。
肘は体から離れないようにしてください。
お腹まで手が回ったら今度はそのままの姿勢で背中に手を回せるかどうかやってみてください。
(お腹まで回ったら80°、背中まで回ったら90°と記録する。)


  ○肘関節の屈曲


・測定方法


上腕を基準軸とし、肘を曲げたときの前腕の移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


肘を曲げたときの角度を測ります。
痛みを感じない範囲で、できるだけ肘を曲げてください。
それでは計測します。


  ○肘関節の伸展


・測定方法


上腕を基準軸とし、肘をそらすように伸ばしたときの前腕の移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


肘を伸ばしたときの角度を測ります。
痛みを感じない範囲で、できるだけ肘をそらすように伸ばしてください。
それでは計測します。


  ○前腕の回内


・測定方法


上腕を体幹に接した状態で肘を前方に90°屈曲し、前腕の中間位を0°とし、手掌が床面を向くように回していったときの手掌面移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


肘を脇につけて角度を直角に固定してください。
腕を動かさないようにして、手首を手の平側に回していってください。
それでは計測します。


  ○前腕の回外


・測定方法


上腕を体幹に接した状態で肘を前方に90°屈曲し、前腕の中間位を0°とし、手掌が天井を向くように回していったときの手掌面移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


肘を脇につけて角度を直角に固定してください。
腕を動かさないようにして、手首を手の甲側に回していってください。
それでは計測します。


  ○手部の背屈


・測定方法


前腕を固定し、手部を背面側にそらし、第2中手骨の移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


腕を動かさないようにして、手を上にそらせてください。
それでは計測します。


  ○手部の掌屈


・測定方法


前腕を固定し、手部を手掌側に倒し、第2中手骨の移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


腕を動かさないようにして、手を手のひらの方に倒していってください。
それでは計測します。


  ○手部の橈屈


・測定方法


前腕を固定し、手部を橈骨側に倒し、第3中手骨の移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


腕を動かさないようにして、手を親指の方に曲げてください。
それでは計測します。


  ○手部の尺屈


・測定方法


前腕を固定し、手部を尺骨側に倒し、第3中手骨の移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


腕を動かさないようにして、手を小指の方に曲げてください。
それでは計測します。


  ○股関節の屈曲


・測定方法


体幹を基本軸として、膝を屈曲した状態で大腿部を前方上部に曲げたときの大腿部移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


大腿部が前方にあがる角度を測ります。
台に手を付き、ご自分の体を支えながら行ってください。
膝を軽く曲げ、太ももをできるだけ挙げてください。
痛みを感じない範囲で、できるだけ挙げるようにしてください。
それでは計測します。


  ○股関節の伸展


・測定方法


体幹を基本軸として、膝を屈曲した状態で大腿部をそらすように後方に曲げたときの大腿部移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


大腿部が後方にあがる角度を測ります。
台に手を付き、ご自分の体を支えながら行ってください。
膝を軽く曲げ、太ももをできるだけ後方に挙げてください。
痛みを感じない範囲で、できるだけ挙げるようにしてください。
それでは計測します。


  ○股関節の外転


・測定方法


左右の上前腸骨棘を結ぶ線に対する垂線を基本軸として、骨盤が動かないようにしながら大腿部を側方に開いていったときの大腿部移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


大腿部が側方にあがる角度を測ります。
膝を伸ばし、体が横に傾かないように気を付けながら、太ももをできるだけ横の方に広げてください。
痛みを感じない範囲で、できるだけ挙げるようにしてください。
それでは計測します。


  ○股関節の内転


・測定方法


左右の上前腸骨棘を結ぶ線に対する垂線を基本軸として、骨盤が動かないようにしながら大腿部を内側に挙げていったときの大腿部移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


大腿部が内側に入る角度を測ります。
膝を伸ばし、体が横に傾かないように気を付けながら、太ももをできるだけ体前面で横の方に入れてください。
痛みを感じない範囲で、できるだけ入れるようにしてください。
それでは計測します。


  ○股関節の外旋


・測定方法


膝を90°曲げ、膝蓋骨から下ろした垂線を基本軸として、下腿部を側方に挙げていったときの下腿部移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


座った状態で、膝から下が外側に上がる角度を測ります。
膝の位置が変わらないよう気をつけながら、膝から下を体の側方へあげてください。
痛みを感じない範囲で、できるだけ膝から下をあげるようにしてください。
それでは計測します。


  ○股関節の内旋


・測定方法


膝を90°曲げ、膝蓋骨から下ろした垂線を基本軸として、下腿部を内側に挙げていったときの下腿部移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


座った状態で、膝から下が内側に上がる角度を測ります。
膝の位置が変わらないよう気をつけながら、膝から下を体の内側へあげてください。
痛みを感じない範囲で、できるだけ膝から下をあげるようにしてください。
それでは計測します。


  ○膝関節の屈曲


・測定方法


大腿部を基本軸として、下腿部を折り曲げていったときの下腿部移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


膝が曲がる角度を測ります。
痛みを感じない範囲で、できるだけ膝を曲げてください。
それでは計測します。


  ○膝関節の伸展


・測定方法


大腿部を基本軸として、下腿部をそらしていったときの下腿部移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


膝がそりかえる角度を測ります。
痛みを感じない範囲で、できるだけ膝をそるように伸ばしてください。
それでは計測します。


  ○足関節の底屈


・測定方法


下腿骨への垂線を基本軸として、足部を足底側へ曲げていったときの第5中足骨の移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


足首が足の裏側方向に曲がる角度を測ります。
痛みを感じない範囲で、できるだけ曲げてください。
それでは計測します。


  ○足関節の背屈


・測定方法


下腿骨への垂線を基本軸として、足部を足背側へ曲げていったときの第5中足骨の移動角度をゴニオメータで計測する。
左右を計測する。


・測定前の教示(例)


足首が足の甲側方向に曲がる角度を測ります。
痛みを感じない範囲で、できるだけ曲げてください。
それでは計測します