荷物の持ち方の計測結果


動作特性 −平成10年度 NEDO20人計測−



1.被験者数


  高齢者:12人(60代 3人、70代 5人、80代 4人)

  若年者: 8人(20代 4人、30代 4人)

  80代、20代、30代は男女各2人、60代、70代はいずれも男性2人

 

2.計測内容


 平成10年度の移動動作計測では、ものの持ち運び動作だけでなく、一段段差と隙間のある路面歩行や障害物のまたぎ越し歩行でも片手荷物、両手荷物を持ち運んだ。計測に際して荷物の持ち運びを行った全計測を対象に持ち方の観察を行い、タイプ別に分類し、各タイプの出現頻度を調べた。

 持ち方についてはビデオ観察の結果から次のタイプに分類した。

   (1)片手かご・…腕にかける

          肘を曲げて持つ

          肘を伸ばして持つ(回外位、斜め前、中間位、回内位)

   (2)両手かご・…腕を上方にあげて持つ

          前方で持つ(体に付ける、体から離す)

          腕を下げて持つ

   (3)お  盆・…両手で持つ

          片手で持つ

          腕に乗せる

 

3.観察結果


 観察結果を図に示す。


 

 

 

 片手荷物の持ち方の内、共通して多いのは回外位(手掌部を前に向けた持ち方)であるが、女性では腕にかける持ち方、男性では回内位(手掌部を後ろに向けた持ち方)が多い。その他、高齢女性ではかごを体の側で斜めに持つ持ち方や腕を曲げた持ち方、若年男性は腕を曲げた持ち方、高齢男性は中間位(手掌部を体の方に向けた持ち方)が見られる。

 なお、今回選定した片手用のかごは長方形で持ち手が長辺側に付いており、上記結果には形状の影響が含まれていると考えられる。