位置感覚の正確さの計測


体性感覚 −平成12年度 NEDO20人計測−




1.目的


目で見ずに元の位置をどれくらい正確に押さえることができるかを調査する。


2.計測装置


3.計測方法


(1)計測項目


1)位置:楽に届く位置、少し努力して届く位置

2)作業面:机上面、前額面

3)机上面計測位置: 0°(右前端)、30°、60°、90°(前方)

4)前額面計測位置: 90°(上方)、60°、30°、0°(右水平)、-30°、-60°


(2)計測手順


作業台高さの調整 → 机上面での計測 → 前額面計測条件の設定 → 前額面での計測


(3)机上面での計測


1) 計測板を作業しやすい高さにセットし、身体が計測板に軽く接する位置に座る。

2) 計測板上の記録紙に、手が楽に届く位置、少し努力して届く位置を記録し、その位置に目標位置であることを示すマーカー(頭が大きい画鋲)をつける。

3) 手を伸ばす方向は、肩峰点を通る矢状面と記録紙前端の交点を原点とし、記録紙前端右方向を0°とし、反時計周りに30°、60°、90°(矢状面)の4方向とする。

4) 次に、被験者が記録紙上に固定した目標マーカーを見ることができないように、カーテンを用いて視線をさえぎる。(動作が妨げられないよう、カーテンを肩にクリップ等で固定する)

5) ランダムに選んだターゲットとなる目標マーカー位置に被験者の指を誘導し、位置の感覚を覚えてもらう。

6) 手を一旦膝の上に戻した後、マーカーの上を第3指の先端で押さえてもらう。

7) 第3指の先端が記録紙に接したらその位置で手を止めてもらい、第3指先点位置を記録紙上に記録する。

8) 指位置が目標からずれている場合は、目標位置を被験者に示す。位置を確認した後、手を膝に戻してもらう。

9) 1回の試行毎に小休止をはさみ、計測に対する習熟効果を軽減するようにする。

10) この動作を一つのターゲットに対して3回繰り返す。

11) 原点から記録された位置までの距離と角度を計測し、記録する。


(4)前額面での計測


1) 計測板を垂直にし、計測板に軽く膝が接する位置に座る。

2) 計測板に対して肩峰点から垂線を下ろし、交点を原点とする。肩峰点と原点までの距離を記録する。

3) 原点から上方90°、右上方60°、30°、右方向水平0°、右下方-30°、-60°の6方向で、手が楽に届く位置、少し努力して届く位置(全部で12箇所)を記録し、その位置に目標位置であることを示すマーカー(頭が大きい画鋲)をつける。

4) 12箇所の目標位置を用い、机上面と同様の計測を行う。


(5)計測の終了


1) 計測漏れや記入漏れがないことを確認し、被験者に終了を通知し、コメントがあれば聴取、記録する。