ダイヤル操作感・スライドレバー操作感の計測


体性感覚 −平成12年度 NEDO20人計測−




1.目的


ダイヤル操作やスライドレバー操作ではどの程度の重さであれば適度な操作感が得られるか、どれくらい重くなると操作しにくくなるかについて調査する。


2.計測装置


ブレーキにより操作時の抵抗を一定に保つことができるトルクメーターを用いて回転操作時のトルクを変え、操作感とトルクの関係を計測する。


(1)装置写真


(2)調節操作用ダイヤル装置


1) ダイヤル径:30mm(φ)×25mm(t)
2) 材質・表面仕上げ:アルミ、操作部表面はローレット仕上げ
3) 回転角度:180°(左水平〜右水平)


(3)スライド操作用レバー装置


1) 方式:回転軸にレバーを取り付け、操作部での回転角度を小さくして、横方向の調節を行う方式。
2) レバー:10mm(φ)×100mm(l)
3) つまみ部:13mm(w)×22mm(h)
4) 移動角度:-20°〜 20°(中央位置を 0°とする)


(4)フィードバックトルク制御装置


1) 方式:パウダーブレーキ
2) フィードバックトルク制御範囲:0 〜 1.12Nm(11.4 kg・cm)


3.計測方法


(1)計測手順


ダイヤル調節操作感 → スライドレバー調節操作感

作業台高さの調整 → 制動なしでの計測 → 容易に操作できる制動力での計測 → スムーズに調節できる限界(許容限界)の制動力での計測 → これ以上重くなると制御できなくなる(調節限界)制動力での計測


(2)計測準備


1) 操作状況解析のため、ビデオ撮影を行う。


(3)ダイヤル操作・制動なしでの計測


1) ダイヤルを操作してもらい座位で作業しやすい高さに設定し、記録する。

2) 被験者への教示(例)

・この計測は、いろいろな装置に使用されているダイヤルについて、どれくらいの重さであれば使いやすいか、これ以上重くなったら操作できなくなるのはどれくらいの重さなのかなどをお聞きするものです。

・ダイヤルを操作して、目盛りの線にきっちりあわせる操作をしてください。

3) パソコンに計測条件を入力し、計測可能な状態にセットする。

4) ダイヤル指針を0°→ 90°→ 45°→ 135°→90°→180°→ 0°の角度にあわせる操作をしてもらい、操作過程でのトルクを計測する。

5) 計測終了後、操作したときの感じを聞き、記録する。


(4)制動をかけたときの計測

1) 次いでフィードバックトルク調節装置で制動の強さを変えながら、最も容易に操作できるという感覚に適合する重さに設定し、フィードバックトルクを記録する。

2) この条件で、同様に計測し、計測終了後に内観報告を聞く。

3) 同様にして、スムーズに調節できる限界という感覚に適合する重さに設定し、計測する。

4) 最後にこれ以上重くなると制御できなくなるという感覚に適合する条件での計測を行う。


(5)スライド調節操作の計測

ダイヤル操作と同様にして計測を行う。

ただし、指針を -20°→ 0°→ -10°→ 10°→ 0°→ 20°→ -20°の角度にあわせる操作をしてもらい、操作過程でのトルクを計測する。


(6)計測の終了


1) 計測漏れや記入漏れがないことを確認し、被験者に終了を通知し、コメントがあれば聴取、記録する。