■委託元
自主事業
■事業年度
2010年12月~2011年3月
■事業概要
近年、人にやさしい(人間生活親和性の高い)と謳う製品やサービスが増えているが、人にやさしい製品・サービスの明確な基準が無いため、生活者が商品選択に迷うケースも少なくない。またメーカにおいては、客観的基準がなく、独自の基準では生活者への訴求力が不足するのではないかと心配する声もある。人間生活工学研究センターの「人間生活工学による製品認証研究会」においては、平成20年度より、「人へのやさしさ」を考慮した製品を、生活者に分かりやすく伝えるための評価基準づくりと、それに基づく製品認証の検討を行ってきた。その中で、消費者と企業の双方に役立つ認証とするためには、認証を通じて消費者とどのようなコミュニケーションを行うか、が重要なポイントになることが分かってきた。
そこで、製品カテゴリー別の品質満足度と、それに対する認証レベルについて、生活者のニーズを明かとするため、本調査を行った。調査はAHP(Analytic Hierarchy Process 階層分析法)を用いて行った。調査の結果、人間生活工学デザインの品質項目は大きく「マイナスをなくす(当たり前品質)」と「プラスをもたらす(魅力的品質)」に分けられ、生活者のニーズは、製品カテゴリーによって、重視する品質に特徴があることが分かった。6つの製品カテゴリーは、人間の生活機能に注目すると4つの生活フィールドに分けられ、それぞれに特徴があることが分かった。
また、生活者の認証レベルに対するニーズは、いずれの製品カテゴリーにおいても「公的機関によるユーザテストの評価を公開」が最も高いウェイトを占めた。次いで「公的機関による製造プロセス審査結果を公開」が高かった。メーカーが独自で行う認証よりも公的機関による認証が望まれており、公的機関によるものであっても認証マークのみ表示はあまり望まれていなかった。
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