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高齢者の「困っていること」事例収集報告

内容

本報告書は、平成13年に(社)人間生活工学研究センターが社会科学やマーケットリサーチで実施されているインタビューなどの手法を利用して、人間生活工学分野での調査を行ったものです。グループインタビュー・デプスインタビューなどを用いて、製品使用状況、個別製品の評価あるいはユーザーの製品に対するニーズなど、について調査されることは多いですが、物理的なモノとユーザーの関わりまで踏み込んで調査されていないため、実際の製品開発あるいは改良を行うポイントを見つけ出しにくい場合も多いと思います。これは、一般的な社会科学やマーケットリサーチにおいては、どうしてもニーズ等の心理面が重視されるためと思われます。そこで本調査では、人間生活工学の立場から調査を実施することにより、ユーザーと製品との関わりにおいて生じる具体的な物理現象に焦点が絞られるようにしました。

事例1      買い物用カート
事例2      ビン詰めやソースなどの容器の開封
事例3      そうめん(乾麺)帯の開封
事例4      財布・カード収納ケース/乗車カード・スーパーのポイントカードなど
事例5      自宅の中のタンスや食器棚
事例6      階段(自宅内)
事例7      電卓
事例8      家電製品等の液晶画面
事例9      自宅内の段差
事例10     風呂・浴槽
事例11     施設での生活:ウォシュレット
事例12     施設での生活:洗面所の鏡
事例13     施設での生活:トイレの洗浄フラッシュ
事例14     施設での生活:エアコンの操作パネル
事例15     バスの昇降ステップ
事例16     券売機とその周辺の案内表示
事例17     液晶タッチパネル式券売
事例18     地下街等にある表示
事例19     ムービングウォーク
事例20     銀行のATM
事例21     百貨店のエレベータ設置場所
事例22     貸し切りバスの昇降ステップ

見本

事例1:買い物用カート

生活シーン      買い物
モノ      買い物用カート
困っていること      買い物の際、重い荷物があるときはカートを使用するが、カートは車輪が方向転換しないようにつくられているので、方向転換しようと思ったときにはカートを持ち上げる必要がある(本ページ下写真参照)。カートは重い荷物を運ぶときに使用することが多いので、荷物の入ったカートを持ち上げるのは大変。またカートを後ろに持って引く際、肩や腕に負担がかかる。

◆カートの寸法
・寸法 約35cm(3)×約56cm(2)(車輪内側41cm)×約85cm(1)


◆使用時の様子(カートの方向転換)

車輪を地面につけたままでは回転しないため、カートに脚をかけて方向転換させる。

備考(考察やメモなど)

高齢者の安全を考えて車輪をしっかりつくる配慮がなされているが、荷物を運ぶことを目的にカートを使用している人にとっては、安全性と同様、カートの可動性が重要となる。

価格
正会員 5,500円(税込、送料別)
準会員・非会員 7,700円(税込、送料別)

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