センター案内

会長挨拶

生活者の視点に立って、我々の身の回りの生活環境をより快適で使いやすい、安全なものへと変えてゆくための合理的な方法論を提示するのが「人間生活工学」です。 人間生活工学研究センター(以下HQL)は、1991年の設立以来、「人間生活工学」に基づくアプローチを実践するうえで必要な基礎的・基盤的人間特性データ等を整備し、新しい工学的な計測、評価手法を産業界、公的研究機関等とともに開発し、提供してきました。

これらHQLの活動のみならず、人間工学、認知科学、人間中心設計、ユニバーサルデザインと言った関連の学術領域・デザイン思想の発展によって、多様な生活者の視点に基づく製品環境は確実に広がってきています。 一方で、昨今の情報化技術の急速な進展によって、IoT、機械学習、生成AI等、ビッグデータに戻づく新たな研究の方法論が発展しています。「人間生活工学」の実践の場である人間生活社会、すなわち人間生活を取り巻く環境としての社会全体は、これら革新技術の社会実装に応じて変化し、それらの情報によって提供される新たなサービスも続々と生まれてきています。「人間生活工学」自身もそれら環境の変化に対応して、新たな方法論を積極的に取り入れていくことが求められています。

そのためには、従来の伝統的な研究方法にあわせて、より異分野との融合や複合が求められます。新学問領域への挑戦を通じて、「人間生活工学」の目指す理念と成果を生み出すためには、HQL自身も変わらなければならないと考えています。変化を恐れることなく、新たな挑戦を果敢に行い、産業界の会員の皆様とともに「人間生活工学」の更なる進化とそれらの社会実装を通じたよりよい人間生活社会の実現を目指し、全力を尽くして参ります。
皆様方の一層のご支援とご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

2024年7月
一般社団法人 人間生活工学研究センター 会長
渡邉 政嘉

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