聞こえた音の大きさ感に関する高齢者の個人データ(抜粋)


聴覚機能 −平成9年度HQL予備実験−


1.被験者数

 

  合計:40人(10代 1人、20代 12人、40代 3人、50代 5人、60代 11人、70代 6人、80代 2人)

 

2.計測内容

 

 被験者に、周波数別に大きさの異なる音を提示し、聞こえた感じが「非常に小さい」〜「聞きたくないくらい大きい」までのどれに相当するかについて内観報告を聴取し、記録した。

 

3.計測結果

 

 計測結果の例として、70代被験者(1名)の結果を図に示す。

 計測した周波数は500Hz〜6300Hzまでの12周波数であるが、その内、3周波数の例を示す。

 図において横軸は提示した音の大きさを、縦軸は聞こえ方を数値化して示しており、縦軸の数値が小さいときは小さい音であると感じ、大きいときはうるさいと感じていることになる。

 また、図の曲線は20代の平均値、計測ポイントを結んだ直線はこの被験者の実測値を示している。

 

 

 

 

 この図から、この高齢被験者は20歳代に比べて聞こえ始める音のレベルが大きく、聞こえる領域では、わずかに音が大きくなっただけでも、急に大きな音になったと感じている様子が伺える。

他の高齢者被験者の計測結果においても、程度の差はあるが同様の傾向が見られ、高齢者の場合「ほどよい大きさの音である」と感じる音圧の範囲が狭くなっていると思われる。