単音節明瞭度

聴覚特性 －平成12年度実験計測－

１．被験者数

高齢者：12人（60代 3人、70代 5人、80代 4人）

若年者：8人（20代 4人、30代 3人、40代 1人）

２．計測内容

単音節100語の書き取りにより明瞭度を計測した。

単音節明瞭度の計測では、後方から声をかけられたときと、前方から声をかけられたときの明瞭度の差を知るため、試験音を前方、後方の2方向から提示し計測した。

計測条件は、背景音なし、試験音レベルは50dB、65dBの2種類とした。

３．計測結果

以下に計測結果を示す。

左図の縦軸は正解率､横軸は年齢を、右図の縦軸は正解率、横軸は６分法による平均聴力レベルを示す。

図より、年齢が高くなると、単音節明瞭度の正解率のばらつきが大きくなることが分かる。

また、単音節明瞭度は平均聴力レベルとの間に相関がある。

試験音レベル50dBで、前方から提示したときと後方から提示したときに異なる間違い方をした音節について整理した。結果を以下の表に示す。

（１）前からの提示と後ろからの提示で異なる間違え方をしたもの（かっこ内は人数、n=19）

試験音声	前方から提示したときの間違え方	後方から提示したときの間違え方
ぎょ	よ　(3)	じょ(2)
け	せ　(2)	へ　(3)
て	せ　(2)	へ　(3)
ぬ	ね　(2)	む　(2)
びゅ	る　(3)	ゆ　(3)
ぺ	て　(2)	へ　(2)
ぼ	と　(4)	ほ　(2)
み	る　(2)	ゆ　(2)

（２）前後とも同じ間違え方をしたもの（n=19）

試験音声	間違えた回答	前方から提示したときの間違い件数	後方から提示したときの間違い件数
す	つ	3	4
こ	ほ	4	3
ぎゅ	りゅ	2	5
ぐ	りゅ	3	4
みゃ	にゃ	5	4
みょ	にょ	6	4
だ	ら	5	6
りゃ	や	9	7
で	れ	9	9
みゅ	にゅ	9	9