再生系の違いによる明瞭度試験


聴覚特性 −平成11年度実験計測−


 

1.被験者数 

  高齢者:3人(60代 3人)
  
若年者:8人(20代 3人、30代 1人、40代 2人、50代 2人)


2.計測内容

  スピーカーからの再生音を対象に、電子機器の特性として実際に起こり得るであろうと思われる歪み条件を試験用音源に付加し、歪みを持つ音源を下記に示す4種類作成して使用した。

     オリジナル試験用音源・・・・・原音

①1/30でクリップさせた音・・・・・タイプA
②カットオフ500Hzのローパスフィルターをかけたもの・・・・・タイプB
③ローパスフィルターをかけ更にクリップさせたもの・・・・・タイプC
④ビット数、サンプリング周波数を8bit、8KHzにしたもの・・・・・タイプD

試験音声には意味のない文章、意味のある文章の2種類を用い、背景音のある場合とない場合での文章了解度を求めた。
また、背景音にはファスルノイズを用いた。


3.計測結果

計測結果を以下に示す。図の縦軸は文章了解度(%)、横軸は平均聴力レベル(4分法)を示す。

   
図より、タイプAの音は意味の有無、背景音の有無にほとんど左右されず、原音とほぼ同様の了解度であった。
タイプBの音は、背景音があると了解度の低下しており、背景音の影響を受けやすい音であることがわかる。
タイプCの音は、意味のないときに了解度が低下しており、単語と単語の間を推測で埋めて意味を類推することが困難な音であることが伺われる。