高齢者対応基盤整備データベース

着座・立ち上がり動作

■計測内容

この計測では椅子のちょうど良い高さを知るために行う。
椅子の高さは市販で大体の高さは決められているが、座面高は人により違う。そのため、座面高を基準にして様々な高さに椅子の高さを調節して計測を行う。

 

■計測機器

1) 座面台:作業台を椅子に見立てて、その上に座布団を敷く。

2) 手すり:高さ92cm 横幅58.5cmのH型のものを用意。

 

■計測条件

椅子の高さ 体勢
座面高-30% 着座時 着座中 起立時
座面高-15% 着座時 着座中 起立時
座面高
(身体部位計測で得た数値)
着座時 着座中 起立時
座面高+15% 着座時 着座中 起立時
座面高+30% 着座時 着座中 起立時
380mm
(市販の椅子)
着座時 着座中 起立時

 

■計測方法

測定手順

乱数表により、計測の順序を予め決めておく。

椅子の高さ 測定手順
座面高-30%
  • 椅子に座ってもらい、そのときの感想を5段階評価(1.楽  2.まあまあ楽 3.どちらともいえない 4.やや負担がある 5.非常に負担がある)してもらう。
  • 着座中の感想を5段階評価(1.座りやすい 2.まあまあ座りやすい 3.どちらともいえない 4.やや座りにくい 5.非常に座りにくい)してもらう。
  • 椅子から立ってもらい、そのときの感想を5段階評価(1.楽  2.まあまあ楽 3.どちらともいえない 4.やや負担がある 5.非常に負担がある)してもらう。
  • 評価をしにくい場合は何度でも座りなおしてもらう。
座面高-15%
    上記同様の計測を行う。
座面高
(身体部位計測で得た数値)
    上記同様の計測を行う。
座面高+15%
    上記同様の計測を行う。
座面高+30%
    上記同様の計測を行う。
380mm
(市販の椅子)
    上記同様の計測を行う。

 

被験者への教示 

(1) この計測は、椅子の高さはどれくらいがちょうど良いのかということを、高さを変えて計測するものです。

(2) 立ち上がれないときや不安定なときは、手すりを使用してください。

 

■計測結果

計測年:2000年度

計測人数:

年代 20~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70~79 80~ 合計
男性 10 11 10 12 30 28 8 109
女性 13 9 10 15 29 26 4 106
合計 23 20 20 27 59 54 12 215

 

結果のまとめ:

  • 若年者も高齢者も座面高と同じ椅子の高さの評価が高い。
  • 起立時は、座面高より高い椅子の高さの評価が高くなる。
  • この計測では、作業台を椅子に見立てて使用したため、座面高+15%ではつま先立ちになり、座面高+30%では足が宙に浮いた状態になることが多く見られた。そのため、高い座面における立ち上がり動作では、「足を床につく」という動作が付け足され、結果的に負荷が高くなったと思われる。

 

計測結果:

ここでは、若年者と高齢者の比較として20代と70代のグラフを掲載する。

 

【縦軸】

着座時 着座中 起立時
1. 楽
2. まあまあ楽
3. どちらともいえない
4. やや負担がある
5. 非常に負担がある
1. 座りやすい
2. まあまあ座りやすい
3. どちらともいえない
4. やや座りにくい
5. 非常に座りにくい
1. 楽
2. まあまあ楽
3. どちらともいえない
4. やや負担がある
5. 非常に負担がある

 

【横軸】

0.7 =座面高-30%
0.85 =座面高-15%
1 =座面高
1.15 =座面高+15%
1.3 =座面高+30%
380㎜ =市販の椅子

 

■報告書PDF

2000年度 高齢者対応基盤整備計画研究開発 第2編データベース整備(動態・視聴覚特性)より抜粋 p 27-30,133-139

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