衣服設計支援のための人間感覚データベース
体温調節能の評価方法
■ 風の影響について
1.実験条件
被験者は健康な7人の青年女子。図1のような条件で実施。この間、被験者は椅子に座り安静を保った。 衣服条件は「綿100%通気度大」「綿100%通気度小」「テンセル100%」の3種類である。
図1 実験スケジュール
2.測定項目
直腸温度。7ケ所の皮膚温度。
3.測定結果
図は綿100%通気度大とテンセルの直腸温度を比較したものである。35度、有風下において両者の差は拡大し、 有意にテンセル着用時に直腸温度の上昇は抑制されている。
図2 綿100%通気度大/テンセルの直腸温度
4.結論
本実験で最も注目すべきことは35度、有風下でテンセル着用時に、直腸温度の上昇が最も大きく抑制されたことであろう。 このことは高温下では優れた吸湿性・通気性を布地が兼ね備え、微風下で生活することが生体負担を軽減することを意味していよう。